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kintone 有償プラグインのランニングコストを削減する方法

2025.07.14
#kintone#ノーコード#コスト最適化
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代表取締役 CEO入田 隆

kintone の活用が進むにつれて、有償プラグインの利用数が増加し、ランニングコストが肥大化してしまった声をよく聞くようになりました。月額数千円・数万円のプラグインも、数十個と積み重なれば、利益を圧迫するランニングコストになるでしょう。

特に、部門ごとに独自にプラグインを導入したり、機能が重複したプラグインが混在している場合、本来必要のないコストが発生しているケースも多く見受けられます

本記事では、kintone 有償プラグインのランニングコストを適切に削減しながら、業務効率を維持・向上させるための実践的な方法を解説します。kintone プラグインのコスト最適化を検討されている方の一助となれば幸いです。

kintone 有償プラグインのコスト削減方法

kintone 有償プラグインのコストを削減する方法は主に 5 つです。

  • データ連携・加工に強いノーコードツールの活用
  • プラグイン統廃合による最適化
  • kintone プラグイン/カスタマイズ開発の内製化
  • オープンソース・無料プラグインの活用
  • 既存契約サービス機能の活用

上記について、順番に掘り下げて解説します。

データ連携・加工に強いノーコードツールの活用

データ連携・加工に関連する有償プラグインは個別ケースに対応した有償プラグインを複数導入することが多く、結果として、金銭的コストや管理コストが肥大化しやすい領域です。

データ連携・加工する機能は、他のノーコードツールを活用することで、より柔軟かつ経済的に実現できます。例えば、以下のようなプラグイン機能が代替可能です。

機能カテゴリ 代替可能な機能
データ連携・同期 ・複数の kintone アプリ間でのデータ同期
・外部システムとの双方向連携
・リアルタイムでのデータ反映
・条件に応じた自動転記
データ加工・変換 ・複雑な集計処理
・データのクレンジング
・フォーマット変換
・複数データソースの結合
自動化処理 ・定期的なレポート生成
・承認フローの自動化
・アラート通知の送信
・データのバックアップ

ノーコードツールを活用することで、プラグインのように特定の機能に依存せず、より柔軟なデータ処理が可能になります。さらに、kintone 以外のシステムとの連携も同じツールで実現できるため、全社的な業務効率化にも繋がるため、非常に有用です。

プラグイン統廃合による最適化

組織内で kintone の活用が進むと、部門ごとに類似した機能のプラグインを個別に契約してしまうケースがよく発生します。このようなプラグインを高機能かつ拡張性の高いプラグインに統廃合することで、コスト削減が可能です。

例えば、以下のようなケースが挙げられます。

  • 帳票出力系プラグイン

    • 部門ごとに異なる帳票プラグインを利用
    • 全部門の要件を満たせる高機能な帳票プラグインに一本化
  • ワークフロー系プラグイン

    • 承認ルートの複雑さに応じて複数のプラグインを併用
    • 高機能なワークフロープラグインに一本化
  • データ加工・集計系プラグイン

    • 売上集計、在庫計算、進捗管理など個別のプラグインを利用
    • 統合型のデータ加工・集計プラグインに一本化

このように機能の重複を解消し、より高機能なプラグインに統合することで、さらなる横展開・拡張による業務効率化を実現しながら、コスト削減まで実現できます。

kintone プラグイン/カスタマイズ開発の内製化

最後に、最も技術的なハードルは高いものの、最大のコスト削減効果が期待できる方法として、自社で kintone プラグイン/カスタマイズを開発する方法があります。

そもそも有償プラグインの導入理由は、自社開発や外部ベンダー開発と比べ、迅速かつ低価格で導入できるためです。

しかし、近年 ChatGPT、Claude、Gemini など生成 AI の著しい進化により、生成 AI を最大限活用することで、プログラミングの知識が限定的であっても、kintone /プラグインカスタマイズを開発するハードルが劇的に下がっています

そのため、生成 AI を活用した kintone プラグイン/カスタマイズ開発の内製化も現実的な選択肢と言えるでしょう。

生成 AI による内製化のメリットは、一度作成したカスタマイズは永続的に基本無料で利用できる点です。また、要件に完全に合致したカスタマイズが可能なため、有償プラグインでは実現が難しかった細かな要望にも対応できます。

今まで紹介した方法と比べると、ハードルは高いですが、kintone プラグイン/カスタマイズ開発の内製化に着手することで競合優位性の強化にも繋がります。そのため、長期的な視点でのコスト削減と業務効率化を目指す場合は、検討に値する方法になるでしょう。

オープンソース・無償プラグインの活用

kintone のプラグインには、オープンソースや無料で提供されているものも多数存在します。このようなプラグインを適切に活用することで、有償プラグインのコストを削減可能です。

たとえば、以下のような無料・オープンソースプラグインがあります。

様々なオープンソース・無償プラグインが存在するため、Web 検索や公式ドキュメントで調べると良いでしょう。

既存契約サービス機能の活用

多くの企業では、kintone 以外にも様々な SaaS やツールを契約しているはずです。実は、このような既存サービスに含まれる機能で、有償プラグインの代替となるケースが存在します。

例えば、顧客向けアンケート収集のためにフォーム機能が必要になった場合、kintone の有償プラグインを追加せずとも、Google Forms や Microsoft Forms などのサービスを活用することで、フォーム機能を実現できます。

また、収集したアンケートデータの集計や分析も、Google Sheets や Excel などのツールを利用することで、kintone プラグインに頼らずとも実現可能です。

このように、既存の契約サービスの機能を活用することで、有償プラグインのコストを削減できる場合があります

最大のメリットは追加コストをかけずに即座に実行できる点です。既存の契約を最大限活用することで、プラグイン費用を削減しながら、場合によってはより高機能なサービスを利用できるようになります。

おわりに

本記事では、kintone 有償プラグインのコストを削減する方法について解説しました。

プラグインコストの削減は、単なる費用カットではなく、業務システムの最適化の機会でもあります。この機会に、本当に必要な機能を見極め、より効率的なシステム構成を実現することで、コスト削減と業務効率化の両方を達成できるでしょう。

また、削減したコストを新たな業務改善や人材育成に投資することで、組織全体の競争力向上にもつながります。ぜひ紹介した方法を参考に、kintone プラグインのコスト最適化に取り組んでみてください。

この記事を書いた人

入田 隆
入田 隆代表取締役 CEO

2016 年に旭化成株式会社に入社し、原料管理のシステムエンジニアとして従事。2019 年に株式会社キカガクに入社し、新規事業のソフトウェアエンジニア兼 C 向けコンテンツマーケティング責任者を担当。2024 年に、株式会社ファンムーブを設立。上場企業からスタートアップまで幅広く DX を支援している。

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